No.157 紫外線対策でも注目:リコピン
紫外線が気になる季節になりました。トマトに多く含まれるリコピンは、近年、健康や美容の面からも注目され、様々な効果が報告されるようになってきています。
リコピン(Lycopene)ってなに?
リコピンは強い抗酸化作用があることで注目されており、ビタミンEの100倍以上とも言われています1)。トマトやスイカ、ピンクグレープフルーツ、アンズなどに含まれる赤い色素で、β-カロテン(にんじん、かぼちゃ)やアスタキサンチン(サケ、カニ)と同じカロテノイド類として知られています。ちなみに、英語読みでは「リコペン」、ドイツ語読みでは「リコピン」で、消費者庁(機能性表示食品)ではリコピンと記載しています。
リコピンで体の中から紫外線対策
肌の老化には、加齢による老化と紫外線による光老化があります。光老化は活性酸素による皮膚細胞の損傷によって引き起こされ、紫外線に長時間曝露されることで皮膚が赤くなるサンバーン(紅斑の発症)と、日光を長年浴び続けることによってひき起こされる肌のしみ、しわ、たるみなどの皮膚の変化が皮膚障害の第一歩と言われています。健康で美しい肌を維持するため、日頃の対策として最近注目されているのが体の内側からの紫外線ケアです。リコピンは機能性表示食品として「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける」という作用のほか、複数のヘルスクレームが認められおり、具体的には次のような報告があります。
健常者(紫外線によって肌が赤くなりやすい健常成人)がリコピン8mgを摂取することで、紫外線により生じるサンバーン(紅斑)の発生が抑制された2)、1日当たりリコピン16mg含む食品を継続的に摂取することで、紫外線刺激からの肌の保護について支持する有意な結果が得られた3)
リコピンに期待されるその他の効果
血圧
15mg/日のリコピンの摂取で血圧低下作用が認められています。血圧を下げるためには長期間の摂取で血中のリコピン濃度を上げることが重要だとされています。リコピンの摂取は主に高血圧症に罹患していない人の中で血圧が気になり出した方(正常血圧者、正常高値血圧者)の血圧を低下させ、血圧を正常域に近づけると考えられています4)。
血中コレステロール
15mg/日のリコピンを8週間摂取することで、HDLコレステロール上昇作用が期待できたとの報告があります5)。
最適な摂取タイミングは朝!
一般的に朝の食物摂取は、前日の食事から長時間経過しているため、体内に取り込む吸収力が強いと言われています。また、朝は肝臓への蓄積がされにくく、血液を介して全身に栄養を供給していると考えられています。
強力な抗酸化作用のあるリコピンが体内で有効に利用されるためには、全身を循環する血液中に多く分布することが大切なので、血中リコピン濃度を上昇させることが期待できる朝の摂取は、活性酸素の消去において他の摂取時刻に比べて効果的だとの報告があります6)。
食品から効率的に摂取するには?
リコピンが豊富な食材は何といってもトマトです。
リコピン含有量は、旬の8月には2月の約3倍になるというデータがあります7)。
夏野菜の中でもトマトの消費量は高く、普段の食事にもプラス しやすい食材です。
リコピン含有量は、旬の8月には2月の約3倍になるというデータがあります7)。
夏野菜の中でもトマトの消費量は高く、普段の食事にもプラス しやすい食材です。
トマトは生のまま食べるのが簡単でよいですが、ミキサーにかけたり、すりつぶしたりすると細胞壁が壊れてリコピンの吸収率が良くなるため、トマトジュースやトマトケチャップなどの加工品の利用もおすすめです。
また、加熱すると有効成分が出てきやすくなり、生食に比べてリコピンの量は約2.7倍、抗酸化活性も約1.3倍向上すると言われています8)。
リコピンは油に溶けやすい性質もあり、トマトソースのパスタなど油を使って調理するとさらに吸収率が上がりおすすめです。
【参考資料】
1)小泉次郎,細川雅史,食品中のカロテノイド類,農業および園芸 第92巻 第10号(2017)
2)3)4)機能性表示食品データベース
5)吉田和敬,井上拓郎,野菜飲料への機能性表示に向けた取組み,生物工学 第95巻 第9号(2017)
6)前田朝美,出口佳奈絵,本橋綾,加藤秀夫,苧坂枝織,西田由香,トマトの摂取時刻の違いによるリコピンの生体内利用,東北女子大学・東北女子短期大学 紀要 No.53:89~95(2014)
7)農林水産省HP:特集1 夏野菜
8) Crit Rev Biotechnol.2000;20(4):293-334.
doi: 10.1080/07388550091144212.
1)小泉次郎,細川雅史,食品中のカロテノイド類,農業および園芸 第92巻 第10号(2017)
2)3)4)機能性表示食品データベース
5)吉田和敬,井上拓郎,野菜飲料への機能性表示に向けた取組み,生物工学 第95巻 第9号(2017)
6)前田朝美,出口佳奈絵,本橋綾,加藤秀夫,苧坂枝織,西田由香,トマトの摂取時刻の違いによるリコピンの生体内利用,東北女子大学・東北女子短期大学 紀要 No.53:89~95(2014)
7)農林水産省HP:特集1 夏野菜
8) Crit Rev Biotechnol.2000;20(4):293-334.
doi: 10.1080/07388550091144212.
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
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