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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.148 相性の良い栄養素の組み合わせ②

No.148 相性の良い栄養素の組み合わせ②


以前の記事では、ビタミンとミネラルに着目し、相性の良い組み合わせの一部をご紹介しました。
今回は、前回紹介しきれなかったビタミン、ミネラルの相性の良い組み合わせと注意が必要な組み合わせをご紹介します。

相性の良い栄養素の組み合わせ

ビタミンA × 鉄

ビタミンA欠乏は、鉄欠乏性貧血を悪化させる可能性がある。また、ビタミンA欠乏患者では鉄が不足していることが多いため、貧血が認められる場合にはビタミンAと鉄を一緒に摂取するのがお勧め。

ビタミンD × 鉄

ビタミンDは、肝臓においてシトクロムP450(CYP27A1またはCYP2R1)、腎臓では25ジヒドロキシビタミンD-1α水酸化酵素(CYP27B1)によって活性化される。これは、鉄が関与するシトクロムP450ヒドロキシラーゼ回路によって行われるため、ビタミンDの活性化には鉄が不可欠。

ビタミンE × セレン

セレン含有グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)は、脂質酸化を抑制するビタミンEの活性を助け、ビタミンE欠乏から起こる障害をいくつか抑制することが示唆されている。

ビタミンK × カルシウム

カルシウム代謝に関わる重要な因子であるオステオカルシン(骨の石灰化を調節)やマトリックスGlaタンパク質(血管など軟部組織の石灰化を抑制)は、活性化にビタミンKを必要とするビタミンK依存性タンパク質である。

ビタミンC × セレン

セレノタンパク質であるチオレドキシン還元酵素は、酸化型ビタミンCからのビタミンC再生を触媒し、ビタミンCの抗酸化作用を維持するのに役立つ。

鉄 × ヨウ素

甲状腺において、ヘム含有の甲状腺ペルオキシダーゼが甲状腺ホルモン生成のためのサイログロブリンのヨウ素化を触媒している。また、鉄またはビタミンAの欠乏が、ヨウ素の欠乏症を悪化させる可能性がある。

セレン × ヨウ素

ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成に必須だが、ヨードチロニン脱ヨウ素酵素と呼ばれるセレノタンパク質は、チロキシン(T4)から生理活性のある甲状腺ホルモンのトリヨードチロシン(T3)への変換に必要とされる。そのため、セレン欠乏はヨウ素欠乏の影響を悪化させると言われている。

ビタミンA × パントテン酸

生細胞中のパントテン酸の大半は、コエンザイムA(CoA)の誘導体であるアセチルCoAやアシルCoAとして存在している。摂取したビタミンA(レチニールエステル)は小腸上皮で加水分解を受けてレチノールとなり、トランスポーターにより細胞内に取り込まれる。取り込まれたレチノールは、細胞内で再びエステル化されるが、このエステル化にはアシルCoAレチノールアシルトランスフェラーゼによるアシルCoAからのアシル基の移動が関わっている。

注意が必要な組み合わせ

カルシウム × 鉄

無機鉄だけでなくヘム鉄についてもカルシウムによる吸収阻害があり、食事とともにコップ1杯の牛乳を飲むと鉄の利用度は有意に下がると言われている。
サプリメントなどで鉄を摂取する場合には、2時間以上の間を空けてカルシウムの多い食品、またはサプリメントを摂取するとよい。

鉄 × 亜鉛

サプリメントなどにより大量に鉄(鉄元素として38~65mg/日)を摂取すると、亜鉛の吸収を減らす可能性がある。また、空腹時に高用量の鉄剤や鉄サプリメントを亜鉛サプリメントと同時に摂取すると、亜鉛の吸収が阻害される可能性があるが、食事と一緒に摂取すると鉄サプリメントは亜鉛の吸収を阻害しないとされている。

まとめ

2回にわたって相性の良いビタミンやミネラルの組み合わせについて紹介しました。
栄養素には相性の良い組み合わせも注意が必要な組み合わせもありますが、そもそも食事は様々な栄養素が含まれるものであるため、必要以上に神経質になりすぎないようにした方が良いかもしれません。ただ、サプリメントなどで、意識的に補う場合には相性を考慮することでよりよい働きが期待できる可能性があります。
【参考】
糸川 嘉則 編集「ミネラルの辞典」(朝倉書店)
日本ビタミン学会 編集「ビタミンの辞典」(朝倉書店)
イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
微量栄養素情報センター サイト
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』e-JIM サイト
堀内登,歯科学報Vol117,No.3(2017)179-189
株式会社住化分析センター サイト
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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