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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.146 調理の工夫とビタミンの吸収

No.146 調理の工夫とビタミンの吸収


私たちが口にしている食品には様々な栄養素が含まれています。
それらの栄養素は調理の工夫によって吸収されやすくなったり、体内での働きが良くなったりします。
今回はビタミンに着目し、調理の工夫と吸収の変化についてまとめます。

調理によるビタミンへの影響

食品には様々な栄養素が含まれ、特にビタミンについては調理による影響が良く調べられています。
ビタミンの含有量は保存や調理、加工によって複雑に変化し、調理前の食品に含まれるビタミン量を100%とした場合、ほとんどのビタミンは非加熱調理の後で70~100%、加熱調理の後では70~90%が食品中に残っているとされています。
食品中のビタミンを減らす主な要因は、主に以下の3つです。
①水や調理油への流出
②熱・酸化・紫外線・酵素による分解
③微生物発酵による消費

ビタミンを減らさない調理法

一般的に「加熱」は栄養成分が失われる原因となります。
しかし、熱に弱いビタミンの場合でも、「調理時の温度を高くして加熱時間を短くする」ことで減少を少なくすることができます。その他、「材料を大きく切る」「皮付きのまま調理する」などの工夫によっても、ビタミンの減少は抑えられます。
なお、水溶性ビタミンは「茹でる・煮る」よりも、「炒める・揚げる」の方が比較的よく保たれます。一方で、脂溶性ビタミンの場合は「炒める・揚げる」の方が減りやすいとされています。

ビタミンと調理の工夫

脂溶性ビタミン、ビタミンB1、ビタミンCについて、具体的な調理の工夫についてご紹介します。

脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)

脂溶性ビタミンは油脂とともに摂取すると吸収されやすくなると言われています。また、特に植物性食品においては、過熱によって細胞壁が軟化・破壊されるとともにタンパク質が変性し、抽出性と生体利用率が増加します。
しかし、上述の通り、「炒める・揚げる」といった調理法では残存率が低くなるため、脂溶性ビタミンをしっかりと補給したい場合には、「茹でる・煮る」で調理し、脂質を多く含む食品と合わせて摂取することがお勧めです。
例外として、揚げ調理に植物油を用いた場合には、植物油中のビタミンEが食品中に移行し、食品単独よりも多くのビタミンEが摂取できる場合があります。

ビタミンB1

ニンニクやネギ類に多く含まれるアリシンは、体内でビタミンB1(以下、V.B1)と結合するとアリチアミンとなります(アリチアミンになってもV.B1の効力には変化なし)。
V.B1は腸から5~10mg/日しか吸収されず、しかも3時間程度で尿中へすぐ排泄されると言われていますが、アリチアミンになると長時間血液中に残存して有効に作用し続けます。そのため、V.B1と合わせてアリシンを摂取することでV.B1の生態利用率は非常に高まります。
また、糠(ぬか)にはV.B1が多く含まれているため、食材を糠漬けにすることで糠のV.B1が移行し、より多くのV.B1を摂取できます。

ビタミンC

ビタミンC(以下、V.C)は加熱調理によって最も減少しやすいビタミンです。また、調理時の洗浄によっても失われてしまうため、V.Cを多く摂取したい場合には、農薬が使われていない野菜(果物)を軽く洗って生で食べるのが良さそうです。
V.Cを含む野菜を加熱調理した場合、調理直後の総V.C残存率は「茹でる」調理品よりも「炒める・揚げる」調理品の方が高く、24時間冷蔵後のV.C残存率の平均値は「茹でる」調理品の方が高い傾向にあったという報告があります(大羽和子 et al.,日本食品科学工学会誌 第58巻 第10号(2011)499~504)。そのため、過熱調理した野菜からV.Cを効率よく摂るためには、調理直後に食する場合は炒め調理法が、時間をおいて食する場合は煮る(茹でる)調理法が好ましいと考えられます。

まとめ

食品を加熱して食べる場合の利点は、「食品に付着している有害微生物を排除する」ことと「食品中の酵素の活性をなくし、腐敗し難くする」ことです。
また、「加熱によって、食品を柔らかくして食べやすくする」こと、「植物の細胞壁を破壊し、細胞内の栄養素を消化しやすくする」ことも利点と言えます。
一方で、食品に熱を加わると、「食品に含まれる熱に弱い栄養素が失われる」「細胞膜が破壊され、煮汁などに栄養素が出る」などの欠点もあります。そのため、食品を調理する際は、食品ごとに調理方法を工夫することが大切です。
【参考】
国立研究開発法人・医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報サイト」
小島 彩子 et al.,ビタミン 9巻1号1月(2017)1~27
神戸 保 生活衛生 28巻 1号(1984)p.51
宮尾 茂雄,日本醸造協会誌112巻6号(2017) 386-396
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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