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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.143 3大栄養素の消化・吸収

No.143 3大栄養素の消化・吸収


タンパク質、脂質、炭水化物は3大栄養素と呼ばれ、私たちの生命維持や身体活動などに不可欠です。
これらの栄養素を体内で活用するには消化と吸収が必要で、今回は3大栄養素の消化・吸収についてまとめます。

消化・吸収の流れ

口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門までの消化管と、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓を合わせて消化器と呼び、これらの消化器が消化・吸収を行います。
摂取した食物はまず、口腔内で唾液と混ざり合いながら細かく噛み砕かれます。次に、食道を通って胃へ到達し、胃では胃液と混ぜ合わされます。その後、十二指腸で膵臓と胆嚢から消化液が分泌され、小腸に送り込まれます。小腸ではほとんどの栄養素が消化(分解)、吸収されます。大腸では小腸で吸収されなかった水分とミネラルが吸収され、消化されずに最後まで残ったものは、肛門から便として体外に排泄されます。

口腔での消化・吸収

口腔では、咀嚼と唾液に含まれる消化酵素(α-アミラーゼ)による消化が行われます。炭水化物であるデンプンはアミラーゼによって加水分解され、α(1→4)グリコシド結合がランダムに切断されてデキストリンになり、続いてグルコース、マルトース、マルトトリオース、小型の分岐デキストリンの混合物となります。唾液の分泌を促進するためには、よく噛むことが大切で、咀嚼回数が多いほど満腹感が得られると言われています。
栄養素のほとんどは小腸で吸収されますが、アルコールやビタミンなど一部の栄養素は舌下などの粘膜から吸収されるものもあります。
※アルコールは主に小腸から吸収されますが、口腔を含む全ての消化管から吸収されます。

胃での消化と吸収

胃液にはタンパク質分解酵素であるペプシンの他、塩酸、ムチンなどの粘液が含まれ、タンパク質の消化を行います。塩酸によって胃の中は強い酸性(pH 1)となり、食物として摂取したタンパク質を変性させ、ペプシンがタンパク質を分解しやすい形にするのにも役立っています。
ペプシンはその活性部位が塞がったペプシノーゲンの状態で胃の細胞で合成されます。食物を消化する時にはペプシノーゲンが分泌され、胃の中の酸性環境にさらされることで、ペプシンとして活性化します。
胃酸分泌は、胃の前庭部粘膜のG細胞から分泌される「ガストリン」、ECL細胞や肥満細胞から分泌される「ヒスタミン」、迷走神経の神経伝達物質の「アセチルコリン」によって促され、胃の内容物が十二指腸に入ると胃液の分泌は抑制されます。

小腸での消化と吸収

小腸では第1段階目の管腔内液状消化と吸収上皮細胞における第2段階目(終末段階)の膜消化が行われ、栄養素が吸収されます。粥状になった食物が十二指腸に送られると、膵液と胆汁が分泌されます。膵液中にはタンパク質分解酵素(トリプシン、キモトリプシン、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、プロカルボキシペプチダーゼ)、多糖分解酵素(α-アミラーゼ)、脂質分解酵素(リパーゼ)、コレステロールエステル分解酵素(コレステロールエステラーゼ、ホスホリパーゼ)などが含まれ、タンパク質、炭水化物、脂質の消化を行います。
管腔内液状消化を受けたタンパク質はオリゴペプチドまで消化されます。その後、微絨毛膜のアミノペプチダーゼにより膜消化を受けて遊離アミノ酸を生じ、取り込まれます。
二糖類(マルトース、スクロース、ラクトース)、マルトリオース、α-リミットデキストリンなどに分解されたデンプンは、微絨毛膜のグリコシダーゼ(グルコアミラーゼ複合体、スクラーゼ・イソマルターゼ複合体、β-グリコシダーゼ複合体など)による膜消化を受けて細胞内に吸収されます。炭水化物に含まれる食物繊維はヒトの消化酵素では消化されず、便のかさを増したり、ビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌のエサとなったりします。
食物中の脂質の大部分を占める中性脂肪(トリグリセリド)は、管腔内液状消化を受けると脂肪酸とβ-モノグリセリドに分解されます。その後、胆汁によって乳化されてミセルを形成し、微絨毛膜に接触して膜消化は受けずに上皮細胞内に取り込まれます。
【参考】
国立がん研究センター 東病棟 サイト
国立循環器病研究センター 病院 サイト
イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』サイト
何川 凉,川崎医療福祉学会誌 Vol.2 No.2 (1992)9-14
阿部一啓, 生物物理 59(2),073-078(2019)
本郷 道夫, 化学と教育 65巻7号(2017年)356-357
藤田 守,電子顕微鏡 2001年 36巻 1号 p 9-15
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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