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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.139 今さら聞けないシリーズ マグネシウム

No.139 今さら聞けないシリーズ マグネシウム


マグネシウムは体内に豊富に存在し、ほとんど全ての生合成反応や代謝反応に必須のミネラルですが、その摂取量は不足しがちです。今回は、体内でとても重要な働きをするマグネシウムについてまとめます。

マグネシウムとは?

マグネシウムという名前は、古代ギリシアのマグネシアという地域で採れる白マグネシウムと呼ばれていた物質に含まれていたことに由来します。体内における様々な生化学反応(タンパク質合成、筋肉や神経の機能、血糖や血圧のコントロールなど)を制御する300種類以上の酵素系の補助因子となる必須ミネラルです。
成人の体には約25gのマグネシウムが含まれ、そのうち50~60%のマグネシウムは骨に、残りの大半は軟部組織に存在すると言われています。血清に含まれるのは総マグネシウム量の1%未満で、この量は厳密にコントロールされています。マグネシウムの恒常性は主に腎臓が調節し、通常であれば約120 mg/日のマグネシウムが尿中に排泄されますが、血清のマグネシウム濃度が低いと尿中排泄量は低下します。

マグネシウムの摂取量

令和元年度の国民健康栄養調査によると、男女とも多くの年代でマグネシウムの摂取量が食事摂取基準で定める推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす量)に満たないことが分かります。女性よりも男性の方が不足している年代が多く、15歳以上では推奨量を摂取できていません。

令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要
栄養素等摂取量(1歳以上、男性、年齢階級別)よりグラフ作成

マグネシウムは摂取不足、吸収不良、マグネシウム喪失性利尿薬の長期使用、生活習慣病、アルコール中毒の際に腎臓からの排泄増加などで不足すると言われており、不足によって骨粗鬆症、神経疾患、精神疾患、不整脈、心疾患、筋肉収縮異常などが生じるとされています。

ビタミンDの活性化作用

あまり知られていない働きの一つに「ビタミンDの活性化」があります。食事由来や紫外線によって皮膚で合成されたビタミンD3は、主に肝臓と腎臓でそれぞれ25(OH)D3、活性化ビタミンD3〔1,25(OH)2D3〕に変換されます。25(OH)D3から活性化ビタミンDに変換するのは1α水酸化酵素(CYP27 B1)であり、マグネシウムはここで補因子として働きます。そのため、マグネシウムが不足するとビタミンDが活性化できなくなってしまいます。

実際に体内のマグネシウムの状態がビタミンDの代謝に重要である可能性が示唆されたという報告があります(Qi Dai et al.,Am J Clin Nutr,Volume 108,Issue 6, December 2018, Pages 1249–1258)。

マグネシウムの有効性

マグネシウム摂取で効果が期待できる症状は次の通りです。便秘、消化不良、低マグネシウム血症、脈拍不整(不整脈)、乳児の脳性麻痺、結腸直腸がん、心疾患、のう胞性線維症、糖尿病、線維筋痛症、聴力損失、高コレステロール血症、メタボリックシンドローム、心臓弁の疾患(僧帽弁逸脱症)、骨粗しょう症、月経前症候群(PMS)など。

マグネシウムを多く含む食品

マグネシウムは、海藻類(あおさ、あおのり、昆布、ひじき など)の他、種実類(ごま、アーモンド、落花生 など)、大豆製品、未精製の穀類に多く含まれています。また、野菜の葉緑素(クロロフィル)にはマグネシウムが含まれているため、緑黄色野菜なども積極的に摂取することをお勧めします。
【参考】
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報サイト
厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIMサイト
平成30年 国民健康栄養調査結果
日本微量栄養素情報センターサイト
日本人の食事摂取基準成分表(2020年版)
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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