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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.136 ビタミンD代謝に関わる栄養素

No.136 ビタミンD代謝に関わる栄養素


ビタミンDは感染症、がん、花粉症など、様々な疾患に効果があると注目を集めています。
ビタミンDは体内で活性化されて働きますが、活性化には様々な栄養素が関与しています。

ビタミンDの活性化

動物の皮膚では、7-デヒドロコレステロールが紫外線の作用によってプレビタミンD3になり、プレビタミンD3は体温でビタミンD3に変化します。
食事(キノコ類や魚介類など)から摂取したビタミンDも体内で合成されたビタミンDも、肝臓で25ヒドロキシビタミンD3〔25(OH)D3〕を生成し、続いて腎臓で活性型ビタミンDである1α-25ジヒドロキシビタミンD3〔1,25(OH)2D3〕に代謝されます。また、腎臓では24位を水酸化し、分解型ビタミンDである24,25ジヒドロキシビタミンD3〔24,25(OH)2D3〕が作られます。
この他にも20種類を超える側鎖代謝物が生成されますが、その生成量は極めて僅かであり、生理的に重要なものは少ないと考えられています。

ビタミンD代謝に関わる栄養素

ビタミンDの中で特に重要だと考えられる25(OH)D3と1,25(OH)2D3の代謝に関わる栄養素を以下にまとめます。

肝臓での代謝

肝臓ではシトクロムP450(CYP27A1またはCYP2R1)によってビタミンD3の25位が水酸化され、25(OH)D3が生成します。これには、シトクロムP450ヒドロキシラーゼ回路が関わり、FAD(ビタミンB2)、NADP(ナイアシン)、Fe(鉄)が働いています。

腎臓での代謝

腎臓では25(OH)D3の1α位が25ジヒドロキシビタミンD-1α水酸化酵素(CYP27B1)で水酸化され、1,25(OH)2D3になります。CYP27B1もシトクロムP450ヒドロキシラーゼ回路で水酸化するため、ここでも、FAD(ビタミンB2)、NADP(ナイアシン)、Fe(鉄)を必要とし、マグネシウムが補因子として使われます
シトクロムP450系は薬物代謝の経路として有名ですが、それだけではなく、ビタミンDを含むコレステロールからの各種ステロイドホルモンの合成にも関与しています。
なお、腎臓の機能低下や機能不全などでは血中の活性型ビタミンD濃度が低下しますが、単球における1α水酸化酵素の発現が増加することが分かっています。さらに、CYP27A1とCYP27B1はそれぞれ弱いながらも1α位と25位の両方の水酸化活性があるとされ、肝臓で活性型ビタミンD、腎臓で25(OH)D3の代謝が可能です。
「活性型ビタミンD」はビタミンD受容体(VDR)が発現している臓器においてVDRに結合し、ホルモンとして作用しますが、最近の研究では25(OH)D3もVDRに結合して作用する能力があることが示されています。

まとめ

サプリメントなどで大量にビタミンDを摂取しているにも関わらず血中の25(OH)D3が上昇しない事がありますが、その原因のひとつに、前述の栄養素の摂取不足があるかもしれません。特に、現代の日本人の場合、男女ともに多くの年代でビタミンB2、鉄、マグネシウムの摂取量が不足しています。
体内で活性型ビタミンDを作るためにはこれらの栄養素が不可欠であるため、ビタミンDの効果を期待する場合には、ビタミンDだけでなく、総合的にビタミン・ミネラルを摂取するのがお勧めだと言えそうです。
【参考】
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報サイト
岡野登志夫,ビタミン83巻1号(1月)2009,1-8
堀内登,歯科学報Vol117,No.3(2017)179-189
イラストレイテッド ハーパー・生化学〔原書29版〕
株式会社住化分析センターサイト
微量栄養素情報センターサイト
公益社団法人日本生化学会サイト
日本腎臓学会承認サイト
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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