グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム > アンチエイジングトピックス > No.134 日本人女性の鉄不足と鉄補給

No.134 日本人女性の鉄不足と鉄補給


地球上に多く存在する金属のひとつである「鉄」は、ヒトの正常な生理機能にも不可欠な物質です。
女性は月経血損失や妊娠・授乳による鉄要求量の増加のため鉄が不足しやすいと言われています。
今回は女性の鉄不足と鉄補給を紹介します。

日本人女性の鉄の摂取状況

平成30年度に行われた国民健康・栄養調査結果によると、70歳未満の日本人女性は鉄の摂取量が不足していることが分かります。

鉄不足による症状

鉄が不足すると、鉄欠乏性貧血〔頭痛、めまい、動悸、息切れ、スプーン状爪、異食症(土食症)、舌炎、嚥下障害、体温維持能力の低下など〕などの症状が出ます。小児では認知障害、体力低下、免疫低下、豊かな感情の減退、集中力・学習能力の減退などが指摘されています。
なお、貧血とは、血液中に含まれる血色素(ヘモグロビン)が減少した状態のことを言います。鉄は、体内では「フェリチン」の形で貯蔵されており欠乏が重度にならないと症状や徴候は現れないこともあるため注意が必要です。

美容に与える鉄不足の影響

ヘモグロビンが酸素と結合すると鮮やかな赤色になります。しかし、貧血になるとヘモグロビンが減少するため赤みが少なくなり、顔色が悪く見えます。また、皮膚や骨などの構成成分であるコラーゲンの生成には鉄が必要です。鉄が不足すると肌が荒れ、髪がパサつき、爪が割れやすくなるなどの症状が出ます。
そして、鉄は女性ホルモンの合成に不可欠であるため、鉄分不足の状態では女性ホルモンが減少します。女性ホルモン減少により、肌や骨などに影響が出るだけでなく、自律神経のバランスの乱れが起きる他、不妊になりやすくなると考えられます。

鉄の種類

食事由来の鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄の補給はヘモグロビンに由来し、レバー、赤身肉、魚などの動物性食品に含まれています。
一方、非ヘム鉄は豆や野菜などの植物性食品、鉄剤などに含まれます。ヘム鉄の吸収率は15~35%あり、食事内容による影響をあまり受けないと言われていますが、非ヘム鉄の吸収率は2~20%であり、食品中のさまざまな成分(フィチン酸、ポリフェノールなど)によって吸収率が大きく左右されます。そのため、効率的な鉄補給にはヘム鉄がお勧めだと言えます。

鉄と相性の良い栄養素

非ヘム鉄の吸収を促進する栄養素にはタンパク質、ビタミンC、有機酸(クエン酸、リンゴ酸など)があります。また、銅は鉄の代謝や輸送に関わっているため、銅が不足すると体内での鉄利用が妨げられてしまいます。
その他、ビタミンA欠乏者は鉄が不足していることが多いと言われています。鉄不足の場合は、合わせてビタミンAが欠乏していないか注意しましょう。ビタミンAの不足症状には、視力低下、夜盲症、角膜乾燥症(ドライアイ)、成長・発達遅延、皮膚の乾燥、免役能低下、味覚異常などが挙げられます。

ヘム鉄の吸収を妨げる要素

ヘム鉄の吸収に食事内容はあまり影響しないと言われていますが、カルシウムがヘム鉄吸収を抑制するという報告があります(Zamzam K Fariba Rougheadet al., Am J Clin Nutr.2005 Sep;82(3):589-97.)。鉄補給を目的とする場合は、カルシウムが豊富な食材との併用は避けた方が良いかもしれません。
また、加熱調理によってヘム鉄の吸収は半減するという報告(Maria N. Garcia et al., J Nutr Biochem.1996 Jan;7(1):49-54)もあります。ヘム鉄が豊富な食材は加熱調理して摂取することが多いため、ヘム鉄で、より効率よく鉄を補給したい場合には、サプリメントなどの健康食品を上手に利用するのもお勧めです。
【参考】
平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要
国立研究開発法人・医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報サイト
厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIMサイト
東京農業大学サイト
慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
滋賀医科大学付属病院サイト
三重県立看護大学サイト
中陳静男 et al., Pr㏄.Hoshi Pharm.No22, 1980
国立研究開発法人理化学研究所(RIKEN)サイト
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み

当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。

アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線