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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.133 プレバイオティクスとしてのオリゴ糖

No.133 プレバイオティクスとしてのオリゴ糖


腸内細菌叢を改善する「プロバイオティクス」に対し、それを育てる(糖類発酵させる)「プレバイオティクス」があります。通常、組み合わせて利用される両者ですが、今回はプレバイオティクスとして知られる「オリゴ糖」をご紹介します。

プレバイオティクスとは

プレバイオティクス(prebiotics)は1994年にイギリスのGibsonとRoberfroidによって提唱された概念で、「宿主の健康に有用な1つまたは限られた数の大腸菌に選択的に有効な影響を与える不消化性の食品成分」と定義され、以下の条件が要求されます。
  • 消化管上部で加水分解、吸収されない
  • 大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌(ビフィズス菌等)の選択的な基質であり、それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する
  • 大腸の腸内細菌叢(フローラ)を健康的な構成に都合の良いように改変できる
  • 宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する
まとめると、プレバイオティクスとは有用な腸内細菌(ビフィズス菌、乳酸菌)の餌となる食品成分を摂取することによって、腸内細菌叢における善玉菌の数を増やすものといえます。
食品素材としては、難消化性のオリゴ糖(2~20の糖単位からなる短鎖の多糖)があります。
例:フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、および食物繊維の一部(ポリデキストロース、イヌリン)など
プレバイオティクスの機能性のほとんどは「大腸での腸内細菌叢の変化を介して発現される」と考えられており、プロバイオティクスと組み合わせることで、より効果的に腸内環境を改善し、健康増進に役立つことが報告されています。

プレバイオティクスの種類と研究結果

フラクトオリゴ糖

WangとGibsonのin vitro研究において、細菌増殖としてビフィズス菌による優先的な発酵が見られる一方で、大腸菌(E.Coli)やウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は比較的低いレベルのままであった(Wang X、Gibson GR、J Appl Bacteriol(1993);75:373-80)。
健常な成人に毎日15gのフラクトオリゴ糖を摂取してもらうボランティア試験では、ビフィズス菌レベルを有意に刺激することが示された(Gibson GR、Beatty ER、Wang Xら、Gastroenterology(1995);108:975-82)。

ガラクトオリゴ糖

ガラクトオリゴ糖が混合培地にてビフィズス菌の成長をサポートし、病原菌数を減少させることが実証された(Tzortzis G、Goulas AK、Gibson GR、Appl Microbiol Biotechnol(2005);68:412-6)。
便中のビフィズス菌数が異常に少ないボランティアの人々(12人)にとって、ガラクトオリゴ糖の摂取は有意なビフィズス増殖をもたらした(Ballongue J、Schumann C、Quignon P、Scand J Gastroenterol(1997);32:41-4)。

イソマルトオリゴ糖

健常人において便中のビフィズス菌数の有意な増加をもたらすイソマルトオリゴ糖の最小効果量は、1日当たり8~10gとなる(Cummings JH、Macfarlane GT、Englyst HN、Am J Clin Nutr(2001);73:415S-20S)。

ポリデキストロース ※

ラットを用いたin vivo研究では、ポリデキストロースとラクチトールを混合した場合、アミンと分枝鎖脂肪酸の産生が有意に減少し、酪酸エステルの産生が増加することによって、腸内細菌叢の組成は望ましく変化することが示された(Peuranen S、Tiihonen K、Apajalahti JHら、Br J Nutr(2004);91:905-14)。
※ポリデキストロース…人工的に合成された水溶性食物繊維。ヒトの消化酵素では分解されない。グルコース、ソルビトール、クエン酸からなる。

最後に

近年の機能性食品の市場では、腸内の善玉菌増殖を目的としているものが多くあり、プレバイオティクス・プロバイオティクスという用語も広く知られるようになりました。健康の改善だけではなく現在の健康状態維持のためにも、これらを多く含む食品を積極的に摂取していきたいものです。
【参考】
公益財団法人日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会サイト
医療 栄養科学大辞典 ロスら編(西村書店)
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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