グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム > アンチエイジングトピックス > No.130 咀嚼能力と栄養・健康との関係

No.130 咀嚼能力と栄養・健康との関係


高齢者にとって、食生活を楽しみ、健康でいるためには、咀嚼能力を保つ事が極めて重要です。
今回は、「咀嚼能力と栄養・健康との関係」についてまとめます。

高齢者の口腔機能に関する現状

咀嚼能力を維持するには「歯数」がとても重要です。
これまでに行われた調査の結果では、約20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが科学的に明らかになっており、厚生労働省と日本歯科医師会では、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動(8020運動)を推進しています。
しかし、平成28年の歯科疾患実態調査の結果では一人平均の残存歯数は年齢とともに低下しており、70歳以降では目標の20本を下回っています。
また、歯数の減少に伴い、「噛めないものがある」と回答した者の割合は年齢とともに増加しており、65歳以上では10%を超えています。

口腔内の状態

なお、咀嚼能力の低下は歯数の減少が主な原因ですが、咬筋を中心とした閉口筋群の筋力低下も影響しています。

咀嚼能力が栄養摂取に与える影響

歯数の少ない人は、咬合力が低下するため固いものが食べられなくなります。その結果、たんぱく質やビタミン・食物繊維の摂取量が減少する一方、炭水化物の摂取量が増える事で栄養バランスが偏ります。

歯数が少ない人の食事の特徴

  • いも類、穀類の摂取量が多い
  • 種実類(ナッツ)の摂取量が少ない
  • 果実類の摂取量が少ない
  • 野菜類、キノコ類の摂取量が少ない
  • 魚介類の摂取が少ない
  • 肉類の摂取が少ない
  • 乳製品の摂取量が少ない

咀嚼能力が健康に与える影響

平成29年の国民健康・栄養調査の結果、65歳以上の高齢者で咀嚼能力が低下している人は、そうでない人に比べて低栄養傾向(BMI≦20kg/m2)の割合が高い事が分かっています。一方、前述の通り歯数が少ない人は、炭水化物過多の食事になる事もわかっており、メタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。
また、咀嚼能力は死亡率にも影響する事が、国内の研究でも明らかになっています。
  • 福岡県で80歳の地域住民824人を12年間追跡調査した結果、咀嚼良好群に比べて咀嚼不良群は2.1倍有意に全死亡率が高値だった。また、咀嚼可能食品数が1つ増えると全死亡率が4.4%有意に減少した。
    (Ann Jpn Prosthodont Soc 4:375-379,2012)

  • 愛知県で65歳以上の約4,400人を約4年間追跡調査した結果,残存歯が20本以上の者に比べ、19本以下で、かつ食べにくい食品のある者は、心血管系疾患による死亡率が1.83倍、呼吸器系疾患による死亡率が1.85倍高かった。
    (J Dent Res. 2011 Sep;90(9):1129-35.)

咀嚼能力を保つためには

咀嚼能力の低下は高齢になってから自覚する事が多いですが、突然衰えるものではありません。若い時から歯科での定期的なメンテンナンスに加え、歯の健康に役立つ栄養素をしっかりと補給して、虫歯や歯周病を予防する事が大切です。

虫歯、歯周病予防にお勧めの栄養素

ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、オメガ3系脂肪酸、γ-リノレン酸、コエンザイムQ10、アミノ酸、乳酸菌など
なお、海外の研究では、義歯を外して食事をする人は、栄養状態が悪く、死亡率も高い事が報告されています。そのため、歯数が少ない場合には必要に応じて義歯を使う事も大切だと考えられます。
【参考】
平成28年歯科疾患実態調査
e-ヘルスネット
平成29年国民健康・栄養調査
日本静脈経腸栄養学会雑誌 3 1(2):681-686:2016
保健医療科学 2016 Vol.65 No.4 p.415-423
歯科口腔の健康と全身の関わり-埼玉県歯科医師会
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み

当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。

アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線