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No.126 今さら聞けないシリーズ ビタミンB1


ビタミンB1(チアミン)は糖からエネルギーを得るために必要な水溶性ビタミンの1つで、中枢神経および末梢神経の機能を正常に保つ作用もあります。
今回はビタミンB1についてご紹介します。

ビタミンB1はどんな栄養素?

ビタミンB1はグルコースや分枝鎖アミノ酸の代謝に関与しており、欠乏することで神経炎や脳組織への障害が生じます。
ビタミンB1の代表的な欠乏症である脚気(かっけ)は米を主食とするアジア諸国で古くから知られていました。

日本でも江戸時代から脚気と思われる症状があった記録がありますが、一気に猛威をふるったのは明治時代です。
当時は伝染病説などもあり、結核と並ぶ国民病として多くの死者を出しましたが、白米を中心とした日本食が原因であると考えた海軍軍医の高木兼寛により、海軍の食事を洋食や麦飯に変更したところ、発症者は激減しました。
その後、鈴木梅太郎やFunkによって「米ぬか」に含まれる有効成分を取り出す事に成功すると、後にビタミンB1と名付けられ、脚気の予防に大きな発展をもたらしました。

ビタミンB1の吸収・代謝

ビタミンB1は(天然には)、リン酸が一つ結合したチアミンモノリン酸(TMP)、二つ結合したチアミンジリン酸(TDP)、三つ結合したチアミントリリン酸 (TTP)の3種類のリン酸エステルが存在しますが、多くは補酵素型のTDPの形で、酵素たんぱく質と結合した状態で存在しています。
TDPは、食品を調理したり、体内で消化される過程で酵素たんぱく質が変性することによって遊離し、消化管内のホスファターゼという酵素によってチアミンとなった後、空腸と回腸で吸収されます。

これらの過程は食品ごとに異なり、さらに一緒に食べた食品にも影響を受けると言われており、平均的な相対生体利用率は60%程度と報告されています。
吸収されたチアミンは再びリン酸化され、糖質および分岐鎖アミノ酸代謝における酵素(トランスケトラーゼ、ピルビン酸脱水素酵素、α-ケトグルタル酸脱水素酵素)の補酵素として働きます。

現代でもビタミンB1欠乏!?

ビタミンB1の欠乏症は脚気の他にウェルニッケ脳症(ウェルニッケ-コルサコフ症候群)があります。

脚気

  • 白米を主食とするアジア諸国に多い末梢神経の疾患
  • 症状:全身倦怠・体重低下・四肢の知覚障害・腱反射消失・心悸亢進・心拡大

ウェルニッケ脳症(ウェルニッケ-コルサコフ症)

  • アルコールを多用する欧米諸国に多い中枢神経の疾患
  • 症状:眼球運動麻痺・歩行運動失調・意識障害
  • 慢性化するとコルサコフ症(精神障害)に移行する。
脚気は過去の病気だと思われがちですが、ビタミンB1は平成29年度の国民健康・栄養調査の結果では、全ての年代において推奨量を満たしていません。
偏った食生活をしがちで、疲れやすい・だるい・むくみやすいなどの症状がある人は、脚気や脚気の予備軍になっている可能性があり、注意が必要です。

ビタミンB1不足になりやすい条件

  • 糖質の多い食事をしている
  • アルコールを多飲している
  • 砂糖入りの清涼飲料水を多飲している
  • インスタント食品中心の生活をしている
  • 激しい運動をしている
※貝類やわらびなどの山菜、鯉や鮒などの淡水魚に含まれるチアミナーゼは、ビタミンB1を分解し生理活性を消失させてしまいます。
チアミナーゼは加熱することによって活性を失います。
【参考】
ビタミンの辞典
宮崎県郷土先覚者
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報サイト
日本人の食事摂取基準(2015年版)
国民健康・栄養調査、女子栄養大学ホームページ
厚生省医療研究総括報告書
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。

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