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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.117 災害時(非常時)の栄養面での問題②

No.117 災害時(非常時)の栄養面での問題②


避難所で配給される食品は、おにぎり、パン、菓子類、カップ麺など、炭水化物(糖質)を多く含む食品に偏りやすいことから栄養素の不足や偏りが懸念されます。今回は、その中でも災害時のビタミンとミネラルの不足についてご紹介します。

災害時に不足が懸念される食品

一般的にビタミンやミネラルを多く含む食品として、肉類(特にレバー)、魚介類、卵、乳製品、種実類、豆類、緑黄色野菜、果物などが挙げられます。
しかし、災害時にはこれらの食品の入手は難しく、炭水化物(糖質)が食事の主体となるため、ビタミンやミネラルの不足が起こりやすくなると考えられます。

災害時に不足が懸念されるビタミン

ビタミンA

体内貯蔵期間は約120日であるといわれています。ビタミンAの不足は感染症に罹りやすくなるだけでなく、成長期の子どもにとっては成長阻害の他、骨や神経系の発達抑制を起こす可能性があります。特に1~5歳では300㎍RE/日を下回らないように摂取することを心掛ける必要があります。

ビタミンB1

体内貯蔵期間は約30日といわれており、被災後1か月 程度で不足してしまうリスクがあるとともに、過労などの神経興奮により消費量が増加することも報告されています。また、糖質をエネルギーに変換する際にもビタミンB1が使われるため、不足には特に注意が必要です。

ビタミンB2

ビタミンB1と同様、体内貯蔵期間は約30日といわれています。ビタミンB2はエネルギー消費量が多いほど必要量が増える傾向があり、不足することで肌荒れや口内炎が起きるなど皮膚や粘膜に影響が現れます。成長促進にも関与しているため、子どもでは不足によって成長障害が起こる可能性もあります。

ビタミンB6

ストレス時に分泌されるノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンなどが作られる時に補酵素として働くため、災害時には不足が懸念されます。不足によって皮膚炎や神経系の異常、免疫力低下が起こることもあります。

ビタミンC

体内貯蔵期間は約40日といわれています。おにぎり、パン、水のみの食事ではビタミンCが補給できないため、約4週間で血漿中のビタミンC濃度がほぼゼロになることが報告されています。さらに身体的、精神的ストレスがかかるとビタミンCの消費量は多くなります。

災害時に不足が懸念されるミネラル

カルシウム

体内貯蔵期間は約6ヶ月とされています。日本人のカルシウム摂取量は通常時でも全ての年齢階級で不足傾向にあります。カルシウムを多く含むのは乳製品、小魚、大豆、緑黄色野菜などですが、災害時これらの食品は配給されにくいため、さらに不足しやすいと考えられます。骨量の蓄積の観点から、特に6~14歳は600㎎/日を目安に摂取することが勧められています。

体内貯蔵期間は約120日であるといわれており、通常時でも成長期の子供や女性は摂取量が不足しがちです。鉄欠乏による貧血では酸素を運ぶヘモグロビン量が減り、体内の酸素量不足やブドウ糖の利用効率が悪化します。非常時に配給される食事に含まれる鉄が少ないと、鉄不足によって疲労感やだるさを感じやすくなります。

まとめ

健康を維持するためには、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の摂取が重要であり、不足することで様々な欠乏症が起こります。欠乏症状には免疫力の低下も挙げられ、様々な感染症にかかりやすくなることから、健康二次被害と呼ばれる事態を引き起こす可能性もあります。 
普段から過不足なく栄養素を摂取する意識を持つとともに、マルチビタミン・ミネラルなどのサプリメントの利用も含めた「災害用栄養備蓄」も検討してみることをお勧めします。
【参考】
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報サイト
平成29年「国民健康・栄養調査」結果
東日本大震災の対応状況(栄養・食生活支援)等について
避難生活で生じる健康問題を予防するための栄養・食生活について
厚生労働省における東日本大震災に係る栄養・食生活支援の概要
ビタミン85巻8号(8月)2011年「災害時におけるビタミンCの不足と摂取の必要性」
JOURNAL OF THE JAPAN DIETETIC ASSOCIATION Vol.53 No.4,2010「ストレス負荷時の食事摂取量の変化と 必要な栄養素 ─被災者への栄養・食生活支援のために─ 」
ビタミン85巻8号(8月)2011年「災害時におけるビタミン栄養の確保」
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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