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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.116 災害時(非常時)の栄養面での問題①

No.116 災害時(非常時)の栄養面での問題①


日本は自然災害の多い国であり、いつ災害に遭遇するか分かりません。
今回は、災害後の避難生活での「食」に関する情報をご紹介します。

災害後に起きる食の問題

災害後、多くの被災者が生活することになる避難所では、配給される飲食物や調理設備が限られていることもあり、食事に関する様々な問題が起きやすい状況です。東日本大震災後に行われた調査では、以下のような問題が挙げられました。
  • 野菜の量が少ない
  • 肉、魚、卵、牛乳などのタンパク質源が少ない
  • おにぎりや菓子パンなど、穀類の量が多い
  • 菓子が豊富でいつでも際限なく食べられる避難所があった
  • 食材があっても調理法がわからず調理できない避難所があった
また、災害時は避難所に限らず、ライフラインが止まることで調理方法が制限され、冷たく硬い食品(冷えたおにぎりや弁当)の摂取を余儀なくされることで、主に乳幼児や高齢者では食事量自体が減ってしまいがちになることも問題とされています。

避難所での食生活の問題点

栄養面

避難所で配給される食事は、おにぎり、パン、菓子類などの炭水化物(糖質)が主体であり、肉、魚、卵、乳製品、野菜、果物などの生鮮食品は不足しがち。
そのため、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足が起こりやすい。

水分補給

飲料水の配給が限られていることや、トイレの数が限られること、非常食など水分量の少ない食品の摂取により、水分の摂取量が減少することが報告されている。
水分の摂取が不足することで「脱水症」「エコノミークラス症候群」「低体温症(夏季は熱中症)」「慢性疾患の悪化」などが懸念される。

衛生問題

被災地全体で衛生状態が悪いこと、洗浄・殺菌の資材不足、普段大量調理を行わない人間が炊き出しを行うこと、食べる人自身の抵抗力が低下していることなどから、避難所では食中毒が発生しやすい。

大きなストレスが食欲に与える影響

被災の恐怖や不安などのストレスによる嗜好や食行動の変化が食事摂取量の増減に関わる可能性も示唆されています。
食欲が増加するか減少するかは、ストレスがかかった際に分泌されるホルモンにより影響され、一般的には急性ストレスでは食欲低下、慢性的なストレスでは食欲が増進する傾向がみられます。

<食事(エネルギー)摂取量の変化をもたらす被災の影響>

特に食欲が増加した際には、甘い物、脂肪分やエネルギー密度が高い食品が摂取される傾向があり、実際に援助食糧の中には大量のお菓子が含まれます。
ストレス時には脳のエネルギー源となる糖質と必須アミノ酸を含む良質なタンパク質の十分な摂取が望まれます。
しかし、避難所生活での運動不足や食欲増加で体重が増えるなどし、糖尿病などの慢性疾患の悪化が懸念される場合もあるため、過剰摂取には注意が必要です。

まとめ

災害後の避難所では、配給される食品の種類に偏りが生じることから、栄養面や健康面への問題が起こりやすくなります。
またそれ以外にも、水分不足、食中毒、ストレスによる過食や食欲減退など、普段とは異なった問題が発生しやすいといえます。

災害時にはこれらの問題が起こることを想定しておくとともに、いざという時のために備えておくことが大切です。
【参考】
東日本大震災の対応状況(栄養・食生活支援)等について
避難生活で生じる健康問題を予防するための栄養・食生活について
厚生労働省サイト
JOURNAL OF THE JAPAN DIETETIC ASSOCIATION Vol.53 No.4,2010「ストレス負荷時の食事摂取量の変化と 必要な栄養素 ─被災者への栄養・食生活支援のために─ 」
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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