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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.112 ホモシステインの影響と対策

No.112 ホモシステインの影響と対策


ホモシステインは血液中に含まれるアミノ酸の1つであり、体内で合成されますが、代謝されずに蓄積することで様々な病気の引き金になると言われています。
今回はホモシステイン増加による体への影響と、ホモシステイン対策についてまとめます。

ホモシステインとは?

ホモシステインは、生体内において、メチオニンとシステインの生成に不可欠です。メチオニン代謝においては、メチオニンとATPからメチル基供与体となるS-アデノシルメチオニン(SAMe)が生成します。このSAMeの脱メチル化体がS-アデノシルホモシステイン(SAH)であり、SAHはホモシステインとなります。

生成したホモシステインは、通常、再メチル化経路かイオウ転移経路によって代謝され、再メチル化経路ではメチオニンが、イオウ転移経路ではシステインと2-オキソ酪酸に加水分解されます。

ホモシステインが増える原因

ホモシステインの血漿濃度は年齢や性別により影響を受けることが知られています。
男性では年齢とともに上昇する一方で、女性は閉経後に急速に上昇し、高齢者では男女差はほとんど見られなくなると言われています。
なお、男女差については、男性ホルモンの異化作用で クレアチニン産生が増加することによる影響が指摘されています(クレアチニン生合成の際にSAMeからメチル基が供与されてホモシステインが産生するため)。
また、再メチル化経路では「葉酸」「ビタミンB12」が、イオウ転移経路では「ビタミンB6」が必要で、これらのビタミンが不足するとホモシステインが代謝できなくなり、ホモシステインの増加につながることも知られています。
その他、喫煙やコーヒー摂取などの生活習慣、加齢による腎機能低下、遺伝的要因[シスタチオニン-β-シンターゼ欠損、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素遺伝子の一塩基多型(C677T)]なども関与していると考えられています。

ホモシステインによる障害

高ホモシステイン血症では血管障害が起こりますが、その発症機序はまだ不明な点が多いと言われています。
有力な説として、チオール基(-SH基)を持つホモシステインがジスルフィド結合(-S-S-結合)する過程で活性酸素種(過酸化水素やスーパーオキシドラジカルなど)が発生し、酸化ストレスとして血管内皮細胞を障害すると考えられています。
活性酸素種によって血管内皮由来の一酸化窒素(NO)が不活化され、血管内皮機能の低下、LDLの酸化LDLへの変性が起こります。
さらに、ホモシステインによりサイクリン依存性キナーゼ活性が亢進し、血管平滑筋細胞の分裂・増殖が促進される他、血液凝固に関係する因子に働きかけて血栓形成を起こしやすい状態を引き起こすなども示唆されています。
また、DNAのメチル化による遺伝子発現調節などにはSAMeが関与していますが、ホモシステインは種々のフィードバック機構により、SAMeのメチル化反応を抑制することが考えられています。
高ホモシステイン血症では、DNAの発現調節異常などを介して細胞障害に関わる可能性があります。
その他、認知症(アルツハイマー)や神経管閉鎖障害 (胎児の無脳症や二分脊椎)などにもホモシステインが関与していると言われています。

ホモシステイン対策

体内のホモシステインが増加する原因は前述の通り「加齢」「ホモシステイン代謝に必要な栄養素の不足」「喫煙やコーヒー摂取などの生活習慣」などです。
加齢は止めることはできませんが、栄養素の不足や生活習慣は改善することが可能です。
「葉酸」「ビタミンB6」「ビタミンB12」を不足のないように十分な量を摂取し、禁煙、コーヒー摂取を控えるなど心掛けるようにする ことをお勧めします。

【参考】
薬学雑誌 127(10) 1579-1592(2007)「ホモシステイン代謝」
動脈硬化 Vol.26 No.9-10 1999「ホモシステイン-動脈硬化の新しいリスクファクタ-」
イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書29版
高知産業保健推進連絡事務所サイト
ボケない人の最強の食事術(青春出版)
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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