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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.104 緑茶と栄養②

No.104 緑茶と栄養②


前回、緑茶に含まれる栄養素とその含有量についてご紹介しました。
今回は主に緑茶と認知症予防を中心に、健康に関する論文をまとめて紹介します。

緑茶の栄養

緑茶にはビタミン・ミネラル、食物繊維、タンパク質の他、渋みの素であるカテキン類、苦味の素であるカフェイン、旨味の素であるテアニンなどのアミノ酸が含まれています。
このうち、カテキン類に抗酸化作用、抗がん作用、抗アレルギー作用、血圧上昇抑制作用など様々な生理作用があることが多く報告されています。

緑茶の作用は興奮?リラックス?

緑茶には興奮作用があるカフェインが含まれているにも拘わらず、飲むとホッと心が落ち着くことがありますが、その理由はテアニンではないかと考えられています。
動物実験ですが、カフェインとテアニンの同時摂取によりカフェインによる興奮作用がある程度抑えられ、自発行動量が低下することが観察されたとの報告や、テアニンを摂取した被験者の副交感神経の活性が増した一方で、交感神経系に影響は見られなかったとの報告があります。

このように緑茶成分は脳や神経にも影響を与え、カフェインやテアニンなどを複合的に摂取することにより、自律神経の活性バランスがとれる可能性が考えられます。

緑茶と認知症に関する論文

緑茶に関する研究では、緑茶に含まれている特定の成分単体を摂取するのではなく、「緑茶」として複合的に摂取することで認知症予防にも役立つのではないか、というものが数多く報告されています。

  • 金沢大学の研究で、緑茶を毎日飲む人は全く飲まない人よりも認知症になるリスクが74%も低く、認知機能低下症状(MCIまたは認知症)になるリスクも68%低いことがわかった(PLOS ONE May 2014 | Volume 9 | Issue 5 | e96013)。
  • 70歳以上の日本人対象に認知症診断で使われる対面テストMMSEで26点未満を認知症と判断し、普段の食生活の状況を確認したところ、緑茶を1日2杯以上飲む人は認知症と判断されにくかった(Am J Clin Nutr February 2006 vol. 83 no. 2 355-361)。
  • 26報のメタアナリシスの結果、茶摂取が老齢者における認知障害やMCIのリスク低下に関連すると示唆されたが、アルツハイマー型認知症との関連は不明である(PLoS ONE 11(11): e0165861.)。
  • 1日2gの緑茶末の摂取3か月でMMSE-Jが28点未満の認知症患者における認知機能が改善傾向を示した(「茶及びその成分を利用した補完代替医療の臨床的展開」静岡県立大薬食生命科学総合学府博士論文)。
  • MMSE 28点未満の高齢者に、1日2gの抹茶末かプラセボを1年間摂取させたところ、認知機能に有意な差はなかったが、酸化ストレスの上昇は抑えられた(l. Nutrition Journal (2016) 15:49)。

緑茶摂取と死亡率に関する論文

1990年から2011年まで行った日本での全国的調査の結果、緑茶を飲む量が多い人ほど男女問わず全死亡リスクが低くなることがわかった。
1日1杯未満の人に比べ、1~2杯の群では4~10%、3~4杯の群は12~13%、5杯以上の群は12~17%死亡リスクが低くなった。

また、死因別でみても心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患における死亡リスクが低くなった(Ann Epidemiol. 2015 Jul;25(7):512-518)。

これらは緑茶に含まれるカテキンの血圧や脂質調整機能やカフェインの血管拡張機能が関係しているのではと考えられています。

カフェインの量は大丈夫?

カフェインは上記のような有用な作用も報告されていますが、過剰摂取による影響も懸念されています。
欧州食品安全機関(EFSA)では、健康な人のカフェイン摂取量は1日400mgまで、妊婦・授乳婦は1日200mg程度であれば健康リスクは増加しないと評価しています。
飲料名 カフェイン濃度 1杯程度の
抹茶 3200mg/100g 64mg
せん茶(浸出液) 20mg/100mL 12mg
コーヒー(浸出液) 60mg/100mL 78mg
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から引用
※抹茶粉末2g/杯,せん茶(浸出液)60mL/杯、コーヒー(浸出液)130mL/杯とする。
【参考】
食品機能性の科学(㈱産業技術サービスセンター)
農林水産省サイト「カフェインの過剰摂取について」
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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