グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム > アンチエイジングトピックス > No.068 インフルエンザ対策とビタミン

No.068 インフルエンザ対策とビタミン


北半球に位置する日本では、12月から3月にかけて季節性インフルエンザが流行します。
インフルエンザへの対策法はいくつかありますが、今回は、「インフルエンザ対策とビタミン」についてご紹介します。

インフルエンザの予防

厚生労働省は、インフルエンザを予防する有効な方法として以下の6項目を挙げています。
  1. 流行前のワクチン接種
  2. 飛沫感染対策としての咳エチケット
  3. 外出後の手洗い、アルコール消毒等
  4. 適度な湿度(50~60%)の保持
  5. 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
  6. 人ごみや繁華街への外出を控える
2014年1月に発表されたCDC(米国疾病予防管理センター)のインフルエンザ週間報告で、この冬にインフルエンザが原因で入院した成人患者数の約半数(47%)は肥満であり、35.4%は代謝異常を有していました。

肥満や代謝異常により抵抗力が弱まる可能性もあり、インフルエンザ予防のためにはウイルスを体内に侵入させないことはもちろん、十分な休養やバランスの良い栄養摂取で抵抗力をつけることの重要さが改めて注目されています。
 
また、2010年には、65歳以上の27名にビフィズス菌末を摂取させたところ、プラセボ群と比較してインフルエンザワクチンの効きが良くなったとの試験結果も報告されました(Biosci.Biotechnol.Biochem.2010;74(5):939-945)。
近年、腸内環境を整え自然免疫を高めることが感染予防に役立つとの研究が数多く行われている一方で、ビタミン類のような基本的な栄養素を積極的に摂取することが 免疫力を高めるための近道であるとも考えられています。

ビタミンCの有効性

一般的に、風邪やインフルエンザの予防や治療にビタミンCが必要とされているのは、1970年にライナス・C・ポーリング博士が、自身の経験から「風邪の予防や治療のためには毎日数グラムのビタミンCが良い」と著書で言及したことが世界中に広まったと考えられています。

この後、ビタミンCの風邪に対する有効性を検証するための研究が数多く行われ、ビタミンCの有効性を示唆する報告には以下のようなものがあります。
  1. 活性酸素の消去(発熱やストレス等で過剰に発生)
  2. 免疫機能の増強(白血球やマクロファージ等の活性)
  3. インターフェロンの産生促進(ウイルスと戦う)
  4. ウイルスの不活性化
しかし、ビタミンCのインフルエンザへの有効性は、科学的にまだ賛否があるようです。

ビタミンDの有効性

ビタミンDは、骨に関与するだけでなく強力なホルモンとして体内の遺伝子発現を調節することでインフルエンザやがん、アルツハイマー、パーキンソン病等にも効果があると期待されています。

日本人の子どもを対象にした二重盲検試験
2008年12月~2009年3月の流行期に、12施設で6~15歳の子供334人を対象に行われ、半数に30μg(1,200IU)のビタミンD3入りカプセルを、残りの半数にビタミンD3が入っていないカプセルを毎日与えた。
結果、ビタミンD3入りグループの方がインフルエンザ発症率が42%低かった(Am J Clin Nutr 2010;91:1255-1260)。

血中ビタミンD濃度が低いと感染しやすい
208名のアフリカ系アメリカ人女性を対象に、20μg (800IU) のビタミンD3を2年間摂取した後、25μg(1,000IU) を1年間摂取した群とプラセボ群で、3年の間に風邪又はインフルエンザ症状を患った人数を比較したところ、VD3摂取群は8名、プラセボ群は26名であった(Epidemiol Infect 2009;137:1396-1404)。
  
私たちは、日光(紫外線)の皮膚照射によりビタミンDを合成することができますが、紫外線を避けての生活や日照時間が短くなる冬季は不足しやすいと考えられます。

また、ビタミンDは脂溶性ビタミンであるために過剰摂取には注意が必要といわれる一方、より多く摂取することでビタミンDの様々な効果を期待しようという考えもあり、積極的な摂取を勧める場合もあります。

ビタミンAの有効性

ビタミンAは目や皮膚、粘膜を正常に保ち、免疫にも関与していると言われています。
特に、鼻や喉の粘膜はウイルスの体内への侵入を防ぐ大切なバリアとなります。

しかし、ビタミンAとビタミンDは核内受容体が共通しているため、ビタミンDを積極的に摂取することでビタミンAの不足が懸念される場合もあります。
ビタミンDを多く摂取している場合は、ビタミンAの欠乏症状が起きていないか注意しておく必要があります。

(参考)
厚生労働省HP
国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
ビタミンCの辞典:東京堂出版
ビタミンD革命 日光の恵みビタミンDの力:バベルプレス
サーファーに花粉症はいない:小学館
CDC FLUVIEW 2013-2014
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み

当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。

アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線