No.097 今さら聞けないシリーズ ビタミンD②
2026.05.19
前回、「今さら聞けないシリーズビタミンD①」として、ビタミンDの体内での生成や日光浴との関係、不足症状などについて紹介しました。
今回は「今さら聞けないシリーズビタミンD②」として、その働きや効果について紹介します。
活性型ビタミンDとは?
食事以外からビタミンDを摂取する場合、医薬品やサプリメントなどの利用が考えられます。
その際、食品に添加が許可されているのは「ビタミンD2」もしくは「ビタミンD3」で、「活性型ビタミンD」は医薬品としての使用だけが許可されています(活性型ビタミンDは体内でも生成されています)。
皮膚の7-デヒドロコレステロールから生成された血中ビタミンD3、もしくは食事由来のビタミンD2/D3は肝臓で生成されるビタミンD結合タンパク(DBP)により血中を運搬されます。
肝臓に入ると水酸化酵素の働きで「25(OH)D(25-OHビタミンD)」へ変換され、再度DBPと結合し、血中へ流れます。
ほとんどの「25(OH)D」は腎細胞に運ばれ、2度目の水酸化を受け「1,25(OH)2D(1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール(OH)2D)」へ変換されます。これが「活性型ビタミンD」です。
また、ビタミンD2由来の「1,25(OH)D2」より、ビタミンD3由来の「1,25(OH)D3」の方がDBPとの親和性が高い為、生物活性は良いとされています。

健康との関連を注目されるビタミンD
ビタミンDは核内受容体(VDR)に結合して、遺伝子の転写を制御することで生物活性を発揮します。
その効能に関する論文も数多く発表されており、2017年だけでも4,350以上もの論文を見つけることができます。(Pub Medによる検索)
現在までのところ、ビタミンDについては以下のような効能が科学的に示唆されています。
・くる病、骨軟化症の予防、改善
・様々な要因によるカルシウム値の低下
・骨粗鬆症の治療、骨量低下
・骨折の予防
・高齢者の転倒を予防
・老後も自前の歯を維持
・高齢女性の慢性関節リウマチを予防
・がんの発症を予防
・体重減少
また、株式会社ヘルシーパスが2010年に行ったアンケート調査では、全回答者の87%の方が「ビタミンDサプリメントは栄養療法に有効である」と回答し、期待する効果として「骨粗鬆症」「インフルエンザ」「がん」「欠乏症予防」「認知症」「心血管疾患」「免疫力の向上」「うつ・精神疾患」「歯科領域での骨形成」などを挙げています。
今回は、これからの時期に役立つ「ビタミンDと風邪・インフルエンザ予防」に関する論文を紹介します。
ビタミンDに風邪・インフルエンザ予防効果
2017年2月に医学誌BMJに掲載された論文です。
| 方法 | ランダム化比較試験によるメタ解析 |
| 対象 | 25の試験 11,321人(0-95歳男女) |
| 調査目的 | 急性呼吸器感染症のリスクに対するビタミンD補給の全体的な影響の評価と、その効果に影響する要因を特定すること。 |
| 結果 | ビタミンD補給は、全対象者の間で急性呼吸器感染のリスクを低減した。 |
ビタミンDを補給することで、風邪やインフルエンザ、急性気管支炎などを含む「急性呼吸器感染」のリスクが低減されること、また、血中25(OH)Dが25nmol/L以下※のビタミンD欠乏者に対する定期的な補給が、よりリスク低減の効果が大きいことも報告されています。
※英国保健省(Health Department)で定義されたビタミンD欠乏の閾値
この他にもブログやニュースレター(バックナンバー)でもビタミンDに関する論文を紹介しております。
ぜひご覧ください。
参考
厚生労働省 e-ヘルスネットサイト
国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報サイト
ビタミンの事典(朝倉書店)
Pub Med
BMJ 2017;356:j847
情報提供元:株式会社ヘルシーパス (2019.12.11)

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