ミネラルの解説①
2026.05.24
カルシウム
| 名称 カルシウム Calcium(Ca) |
| 体内での働き カルシウムは、丈夫な骨や歯をつくるのに欠かせない栄養素としてよく知られており、体内で最も量の多いミネラル(成人体重の1~2%)である。体内のカルシウムの99%は骨および歯に存在し、残り少量のカルシウムは、血液凝固や心臓の機能、筋収縮などに関与し、体内で重要な役割を担っている。血液中のカルシウムが減少すると、その不足分を補うために、骨からカルシウムが放出され、血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとする。しかし、長期に渡ってこの状態が続くと、骨組織の破壊が進行して骨量が減少し、骨粗鬆症を引き起こす。カルシウムの摂取は、カルシウム欠乏などによるくる病、骨軟化症、低カルシウム血症、骨粗鬆症の治療に対してはヒトでの有効性が示唆されている。また、カルシウムは、脳への情報伝達を正常にし、神経を安定させる働きもあるので、ストレスの緩和にも役立つ。 |
| 解説 ビタミンDやリジン、乳酸菌がカルシウムの吸収を助ける。安全性については、適切に摂取すればおそらく安全と考えられるが、過剰摂取により泌尿器系結石の形成、ミルクアルカリ症候群などの障害を起こす可能性がある。 |
| 不足すると起きやすい症状、疾患 虫歯、歯周病、骨粗鬆症、くる病、骨軟化症、筋肉の痙攣や痛み、イライラ、神経過敏、不眠症、動悸、高血圧、生理不順、腎機能障害 |
| 相乗作用を示す栄養素 鉄、マグネシウム、マンガン、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD |
| 効果が期待される症状、疾患 骨粗鬆症、神経過敏、情緒不安定、ストレス、高血圧、動脈硬化、筋肉の硬直や痙攣、肩こり、腰痛、生理痛、生理不順 |
| 過剰症 1日あたり4,000mg以上を長期間摂取すると、便秘、結石(胆嚢、腎臓)、甲状腺機能障害などが現れることがある。 |
| 日本の推奨量 650mg(目安量) |
| 米国の対症摂取量 800~1200㎎ |
| 安全最大摂取量(米国/日本) ※日本は上限量 1500mg / 2300mg |
| 多く含まれる食品 干しエビ、煮干し、干しヒジキ、どじょう、高野豆腐 |
マグネシウム
| 名称 マグネシウム Magnesium(Mg) |
| 体内での働き マグネシウムは、幅広い細胞反応に必須なミネラルであり、生体において、ATPアーゼの活性化のほか、300種以上の酵素反応の活性化に関与し、エネルギー代謝やたんぱく質の合成、体温や血圧の調整などに関わっている。カルシウムと共に骨の健康に必要なミネラルでもあり、カルシウムの作用と密接に関与している。また、カルシウムとの関係においては、カルシウムの細胞内への流入を調整したり、カルシウムが血管壁や腎臓などに沈着するのを防ぐ役割がある。カルシウムとマグネシウムには、理想のバランスがあり、その比率は、1対2~3といわれている。マグネシウムは、筋肉の収縮にも関わり、高血圧、動脈硬化、狭心症や心筋梗塞などの予防にも大切なミネラルである。 |
| 解説 マグネシウムは、ほとんどの食品にまんべんなく含まれているので、通常の食事をしていれば不足する心配はないが、生活習慣病の危険因子(ストレス、血糖値上昇)が関与することで、マグネシウムの尿中の排泄量が増大することがわかってきた。そのため、最近では、サプリメント等での摂取を考慮すべきミネラルとして認識されつつある。 安全性については、適切に摂取すればおそらく安全と考えられるが、過剰摂取により下痢や高マグネシウム血症などを起こすことがあり、特に重篤な腎不全患者には注意が必要である。 |
| 不足すると起きやすい症状、疾患 肌荒れ、湿疹、食欲不振、吐き気、消化不良、痙攣、頭痛、イライラ、動脈硬化、心臓病 |
| 相乗作用を示す栄養素 カルシウム、ビタミンB6 、ビタミンC、ビタミンD、カリウム |
| 効果が期待される症状、疾患 痙攣、しびれ、めまい、頭痛、イライラ、PMS、疲労、狭心症、心筋梗塞、骨粗鬆症 |
| 過剰症 1日あたり3,000mg以上を摂ると、下痢、筋肉の痙攣、血圧の低下、腹痛などの症状が現れることがある。 |
| 日本の推奨量 370mg |
| 米国の対症摂取量 300~350mg |
| 安全最大摂取量(米国/日本) ※日本は上限量 400mg / 十分な研究報告がない |
| 多く含まれる食品 干しヒジキ、アーモンド(乾)、カシューナッツ、大豆(乾)、バターピーナッツ |
鉄
| 名称 鉄 Iron(Fe) |
| 体内での働き 鉄の体内での働きは、大きくわけて2つあり、1つ目は赤血球の生成である。赤血球は、酸素を体のすみずみにまで運ぶ重要な仕事をしているので、鉄が不足して赤血球の生成が妨げられると、酸素が体内にいきわたらず、体内は酸欠状態になり、めまい、息切れ、動悸に加え、疲れ、倦怠感、脱力感などの、いわゆる貧血の症状が起こる。2つ目はエネルギー生産である。鉄は私たちがエネルギー(ATP)を生み出す回路(電子伝達系)において、必須の酵素の成分(注)となっている。鉄が足りないと、エネルギー生産が十分におこなわれないために、倦怠感、脱力感、うつ、その他の不定愁訴の原因になると考えられている。 (注)鉄はATP産生に深くかかわるチトクローム酵素の活性に深く関与している。貧血対策に鉄の補給はよく知られているが、貧血以外にも、女性の不定愁訴の解決に、鉄の補給は十分役立つと考えられている。そのほかにも、鉄は、活性酸素の1つである過酸化水素を分解するカタラーゼやペルオキシターゼなどの酵素の成分となったり、コラーゲン生成、免疫機能の維持、タンパク質代謝などに働いている。 |
| 解説 私たちが食べ物から摂取する鉄には、おもに穀物や野菜に含まれる「非ヘム鉄」と、肉やレバーなどの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」がある。ヘム鉄は、医薬品や野菜に含まれてる非ヘム鉄と異なり、鉄がむき出しではなく、鉄ポルフィリン複合体に囲まれているため、胃粘膜・胃壁を荒らすという副作用がなく、また、そのままの形で吸収されるので、吸収率も非ヘム鉄に比べ、5~10倍もよいといわれている。ヘム鉄は、安全で効果も高いので、ヘム鉄を関与成分とした特定保健用食品が許可されている。 |
| 不足すると起きやすい症状・疾患 貧血、不定愁訴、免疫力低下、作業能力の低下 |
| 相乗作用を示す栄養素 ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸 |
| 効果が期待される症状、疾患 貧血、不定愁訴 |
| 過剰症 健康な人が通常の食事によって鉄の過剰症を起こすことはほとんどないが、治療用の鉄剤などを過剰に摂取すると、便秘、胃腸障害、鉄沈着、亜鉛の吸収阻害などが起こる可能性がある。 |
| 日本の推奨量 7.5mg |
| 米国の対症摂取量 男性15~25mg 女性18~30mg |
| 安全最大摂取量(米国/日本) ※日本は上限量 60mg / 男性55mg 女性45mg(2005年) |
| 多く含まれる食品(ヘム鉄) 豚レバー、鶏レバー、卵黄、しじみ |

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