ビタミンの解説③
2026.04.28
ナイアシン(水溶性ビタミン)
| 名称 ナイアシン Niacin ニコチン酸、ニコチン酸アミド |
| 体内での働き 体内でNAD(P)となり、酸化還元反応など500種近い酵素の補酵素として働き、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必須。 特にエネルギー生産では、解糖系、TCA回路、電子伝達系の全てに関わっている。 DNA修復、DNA合成、細胞の分化に関わっている。 副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、インシュリン、性ホルモンの合成に関わっている。 脳神経系の働きを正常に保つ。 消化器の健康を維持し、胃液や胆汁の分泌を正常に保つ。 血管拡張作用を持ち、血液循環を円滑にする。 皮膚の機能を正常に保つ。 |
| 解説 糖質、たんぱく質、脂質の代謝に関わり、体内で必要なエネルギーの半分以上はナイアシンが関わって生産されている。また、遺伝子の合成、ホルモンの合成など、極めて多くの働きを担っている。 体内で最も重要な抗酸化物質のひとつとして働く。体内でトリプトファンから合成されるため、欠乏症が現れにくいが、ナイアシンの重要性を考えると、摂取量には注意しておくべき。 欠乏症として代表的なものは、ペラグラ皮膚炎(皮膚が赤くなったり、水泡ができたり、ひび割れてはがれるなど)。 50mg以上のナイアシンの摂取により、一過性の副作用(皮膚が紅潮したり、痒くなる)が起きることがある。 大量投与による精神疾患の改善や、コレステロールの低下が期待されている。 |
| 不足すると起きやすい症状、疾患 ペラグラ、胃腸障害、精神障害、皮膚炎 |
| 相乗作用を示す栄養素 ビタミンB群 |
| 効果が期待される症状、疾患 糖尿病、疲労、冷え性 |
| 過剰症 50mg以上の摂取でフラッシュ(一時的な顔のほてり、チクチク感)が起こる。 痛風の気のある人に痛風の発作を起こさせることがある。 |
| 日本の推奨量 15mg |
| 米国の対症摂取量 25 – 300mg |
| 安全最大摂取量 アメリカ:500mg(ニコチン酸)1,500mg(ニコチン酸アミド) 日本:30mg(ニコチン酸)ニコチン酸アミドは設定なし |
| 多く含まれる食品 イワシ、タラコ、かつお、ぶり、さば、サンマ、マグロ、レバー |
葉酸(水溶性ビタミン)
| 名称 葉酸 Folic acid プテロイルグルタミン酸 |
| 体内での働き 体内で、メチル基、メチレン基などの受容体や提供体となり、それらの転移に関わる。約20種類の酵素の補酵素として働き、たんぱく質と核酸の合成に関わる。 遺伝子の複製、修復、細胞分裂時の染色体の破損防止等に働く。 ヘムの合成に関わり、赤血球の形成を支えている。 アミノ酸の代謝、抗体の生産に関わっている。 神経細胞の代謝、成長を助け、脳内の神経伝達物質の生産を促す。 |
| 解説 細胞の分裂や成長に欠かせない働きを担当しているので、特に妊娠中や授乳中の女性には欠かせない栄養素。特に妊娠初期に不足すると、胎児の脳神経に障害が出るリスクが高まるので、妊娠の可能性がある女性は摂取を心がけるべき。消化器系の健康、肝臓の働きを助け、皮膚の健康を保ってくれる。 ビタミンB12と協力し、赤血球生産に関わるため、貧血の場合には鉄と合わせて摂取するのが望ましい。 |
| 不足すると起きやすい症状、疾患 貧血、出血性疾患、腸炎、口内炎 |
| 相乗作用を示す栄養素 ビタミンB群 |
| 効果が期待される症状、疾患 貧血、出血性疾患 |
| 過剰症 5-10mg以上の摂取で乳がんと前立腺癌のリスク増加の心配がある。 |
| 日本の推奨量 240μg |
| 米国の対症摂取量 400 – 1200μg |
| 安全最大摂取量 アメリカ:1mg 日本:1mg |
| 多く含まれる食品 レバー、パッションフルーツ、うに、枝豆、とうもろこし、オレンジ、モロヘイヤ、ニラ、ドリアン |
パントテン酸(水溶性ビタミン)
| 名称 パントテン酸 Pantothenic acid |
| 体内での働き 補酵素A(CoA)の構成成分となり、エネルギー生産、タンパク質、脂質の代謝に深く関わっている。副腎を刺激して、ホルモンの生産を促すことで、ストレスに対する抵抗力を生み出す。免疫抗体の生産に働き、免疫力を強化する。解毒に働き、薬の副作用を軽くする。神経伝達物質の生産に関わる。結合組織、粘膜組織、ヒアルロン酸の生産に関わる。 |
| 解説 ストレスへの抵抗力をつけるビタミンとして有名。 疲れやすい、ストレスが溜まりやすいという自覚がある場合、ビタミンC、Eと合わせて摂取するのが望ましい。 アルコールやカフェインによって消耗するので注意。 エネルギー生産全般に関わるほか、髪や肌の健康を維持する働きを持ち、善玉コレステロールを増やす働きも持つ。 |
| 不足すると起きやすい症状、疾患 手足のしびれ、睡眠障害、めまい、疲労、食欲不振 |
| 相乗作用を示す栄養素 ビタミンB群 |
| 効果が期待される症状、疾患 白髪、抜け毛、肥満 |
| 過剰症 10-20gの摂取で下痢、むくみが起こることがある。 |
| 日本の推奨量 6mg(目安量) |
| 米国の対症摂取量 25 – 500mg |
| 安全最大摂取量 アメリカ:1,000mg 日本:設定なし |
| 多く含まれる食品 レバー、かれい、いくら、たらこ、にじます、チーズ、アボカド、キャビア、フォアグラ |
ビオチン(水溶性ビタミン)
| 名称 ビオチン Biotin |
| 体内での働き 4種類の酵素の補酵素として働き、糖質、タンパク質、脂質の代謝に関わり、脂肪酸やアミノ酸の合成にも一役買っている。 葉酸、パントテン酸、ビタミンB12の働きを助ける。 骨、皮膚、神経組織、血球、髪の健康維持に関与。 |
| 解説 ビオチンは毛髪やお肌のビタミンと呼ばれ、白髪や脱毛を防ぎ、肌の健康を維持する働きがある。 生卵の白身に吸着され吸収が阻害されるので注意が必要。 ヒスタミンのもとを体外に排出する働きがあるため、アトピー性皮膚炎の症状の予防に役立つという説がある。また、手足に水泡が出来る掌蹠膿疱症(ショウセキノウホウショウ)は、ビオチン欠乏症という説がある。 |
| 不足すると起きやすい症状、疾患 不眠症、貧血、皮膚炎、脱毛、白髪、疲労感、憂鬱感 |
| 相乗作用を示す栄養素 ビタミンB群、ビタミンA |
| 効果が期待される症状、疾患 アトピー性皮膚炎 |
| 過剰症 知られていない |
| 日本の推奨量 45μg(目安量) |
| 米国の対症摂取量 300μg |
| 安全最大摂取量 アメリカ:2.5mg 日本:設定なし |
| 多く含まれる食品 くるみ、ひまわり種子、レバー、牛乳、大豆、卵、カリフラワー、ピーナッツ、バナナ |

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