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No.052 アミノ酸摂取で期待される効果


アミノ酸は、筋肉や臓器の基本成分として、また、神経伝達物質や酵素などの構成成分ともなり、生体内の様々な生理機能を担っている大切な栄養素です。

注目度の高いアミノ酸

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類と考えられています。
この20種類はどれも大切なものばかりですが、今回は、注目度の高いBCAA、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、グリシンについて紹介します。

BCAA(分岐鎖アミノ酸)とは

必須アミノ酸のうち、アミノ酸の炭素骨格が直鎖でなく、分岐している構造を有する「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3種を総称して分岐鎖アミノ酸(BCAA)といいます。
BCAAには、骨格筋のタンパク質合成を促進したり、タンパク質分解を抑制する機能があり、手術後の輸液などに使用されるほか、運動選手の骨格筋の維持や増量にも効果が期待されています。
骨格筋の維持、増量には、ロイシンがタンパク質合成のシグナルとして関与していると考えられています。
BCAAの最適な摂取比率は、バリン1:ロイシン2:イソロイシン1といわれています。

運動時の効果的な摂取法

BCAAは血漿の遊離必須アミノ酸の約4割を占め、運動時に必要に応じてエネルギー源として利用されるため、アスリートが好んで利用しています。
BCAAは普段、生活の中で摂取している肉や卵、乳製品などにも多く含まれているアミノ酸ですが、食品から「タンパク質」として摂取すると、アミノ酸に分解されて吸収されるまでに数時間かかるため、運動前や運動中にBCAAをスピーディに摂取するにはアミノ酸の形で摂取するのが有効です。 
運動の30分前~運動中にBCAAを2~4g程度摂取するのが良いといわれています。

グルコース・アラニン サイクル

BCAAは持続運動時の血糖値の維持にも重要な役割を果たしていますが、その働きの中心は「グルコース・アラニンサイクル」です。

運動時、骨格筋では「解糖」によりグルコースからピルビン酸が生成されます。
ピルビン酸は筋肉細胞内でBCAAからアミノ基を受け取り「アラニン」に変換されます。
アラニンは筋肉から肝臓に移行して糖新生に用いられ、新たな糖を生じることで体は運動時に必要な糖を持続的に供給できる仕組みになっています。
体内のグリコーゲンの量は限られているので「グルコース・アラニンサイクル」のような糖新生の仕組みはとても重要です。

アルギニン

アルギニンは様々なホルモンの分泌を促進することが知られており、特に成長ホルモン分泌促進効果が注目されています。
また、生体内で過剰に生産されたアンモニアを尿素に代謝し、排泄する機構にも深く関与していることから、運動時の疲労を抑える効果も期待されています。
さらに、生体内でNOの前駆体にもなっているため、NO産生のサポートにも効果が期待されています。

メチオニン

メチオニンは側鎖に硫黄を含んだ必須アミノ酸で、卵、肉、ナッツなどに比較的多く含まれていますが、穀物にはあまり含まれていないため「制限アミノ酸※」になることが多いアミノ酸です。
メチオニンはATPと結合して、S-アデノシルメチオニン(SAM)へ転換され、メチル基の供与体として多くのメチル化反応に関与しています。  
また、リボゾームにmRNAからのタンパク質翻訳を開始させる「開始コドン」としても重要な役割を果たしています。
※必須アミノ酸は相互の量が一定の範囲内にあることが大切で、不足しているアミノ酸があるとその量が体タンパク質の合成量を制限してしまう。このとき最も不足しているアミノ酸を「第一制限アミノ酸」という。

トリプトファン

トリプトファンからは、うつ病や神経病、片頭痛などに関わりの深い「セロトニン」、睡眠と関わりの深い「メラトニン」が生成されます。
また、トリプトファンは、ナイアシンや、さまざまな脱水素酵素の補酵素として機能するNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の材料としても利用され、医薬品としても、抗うつ剤、不眠症薬の主原料として用いられています。

グリシン

タンパク質中に多く存在するアミノ酸で、特にコラーゲンでは構成アミノ酸の33%がグリシンです。
また、トリプトファンやGABAとともに、睡眠の質を改善する働きも期待されています。
グリシンは、核酸のプリン塩基、クレアチニン、グルタチオン、ポルフィリン(ヘム鉄やビタミンB12など)の素材にもなっています。

(参考)
アミノ酸と生活習慣病:女子栄養大学出版部
アミノ酸ハンドブック:味の素株式会社編
タンパク質・アミノ酸の化学:工業調査会
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。

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